3カ月でJLPT N4を独学した経験談
¶ 前書き
先週、JLPT N4 を受けました。まだ結果は分かりませんが、普段の模試の結果からすると、合格率はだいたい半分くらいかなと思っています。最終的に受かっていようがいまいが、学習プロセス自体は共有する価値があると思うので、経験を書き残します。
試験は東京で受けました。申し込み時に選べる受験エリアはかなり広く、例えば私は「関東」しか選べず、東京のどこで受けたいかすら指定できませんでした。ただ、システムは住所を見て会場を割り振っているようで、同じ「関東」でも埼玉県の人は 23 区内ではなく別の会場になる、というような感じです。私の会場は品川で、自宅(豊洲)からは 1 時間ほどかかり、決して近いとは言えませんでした。
日本の JLPT 会場は、正直かなり衝撃でした。品川の会場は大きなコンベンションホールで、千人近く入る規模でした。受験者はその大ホールに一気に詰め込まれます。台湾なら学校の教室で受けることが多いですし、以前 TOEFL を受けたときも塾の教室でした。千人規模が 1 つの空間に入るのは初めてで、主催側としては人件費や会場費を抑えられるのだと思いますが、受験者側としてはあまり快適ではありません。点呼や試験問題の配布に非常に時間がかかり、入退場も混みます。トイレも学校より明らかに少なく、休憩時間が短いので、休憩中はトイレの列に並ぶだけで終わってしまうことすらありました。監督官の人数も少なく、うまくコントロールできていない印象で、リスニング中にスマホの着信音が鳴る人までいて、本当に驚きました。受験者は基本的に成人で、語学学校の学生が多いのだと思います。人種もさまざまで、東南アジア系の方が多い印象でした。
¶ なぜJLPTを受けたのか
私はほぼ日本語が話せませんでした。彼女は日本人ですが中国語が話せるので、日本に 1 年住んでも日本語を話せないままでした。日本語が必要な場面は全部彼女に頼っていて、さすがにこれではまずいと思い、重い腰を上げて本気で勉強することにしました。
日本に 1 年住んで、何も勉強しなかった場合に身につく日本語はどれくらいかというと、「お冷(冷水)」「ブラックミルクティー(奶茶)」「おかわり(續杯/碗)」くらいで、ほぼ単語レベルです。
日常生活では、実はそこまで日本語が必要ありません。コンビニやスーパーなら、袋が要るかどうかが聞き取れて、支払い方法が言えれば十分です。レストランの注文も、基本は「これ(この商品)」で乗り切れます。
本気で口を開くとしたら、「お願いします」「ありがとう」「ごめんなさい」が 9 割で、イタリアにいたときに話せたイタリア語と同じくらいの範囲です 😂
ただ、いざ必要になると足りなさを痛感します。病院でのコミュニケーションが難しかったり、誰かと揉めたときに言い返せなかったり、権利を主張したいときにうまく伝えられなかったりします。ヨーロッパなら英語で言い合いができますが、日本では相手が英語を理解しないことも多いので、余計に厳しいです。
とはいえ、1 年住んでしまえば逃げようがないし、向き合うしかない。そう思って JLPT に申し込みました。
なぜ JLPT を受けるのか。子どもの頃からの経験上、試験を目標にした学習が一番効率的だと思っています。学習の目標や方向性が明確になり、試験までの時間制約があることで自然と勉強量も増えます。
勉強を始めようと決めた時点で 9 月でした。JLPT は年 2 回で、次は 12 月。つまり 3 カ月しかありません。3 カ月の中で、1 日 1〜2 時間くらいしか取れないだろうと考えると、合計 100〜200 時間程度。N3 を目指すのは現実的ではなく、N4 が妥当だと判断しました。実際、予備校の目安では、N4 はだいたい 300 時間前後と言われています。3 カ月で達成するなら 1 日 3 時間半ほど必要です。私自身の学習時間もだいたいその程度でしたし、隙間時間の単語暗記や日本語動画視聴も含めれば、総学習時間は 400 時間を超えていると思います。
もちろん、才能がある人もいます。上の数字はあくまで平均です。1 日 15 時間勉強すれば、半年で N1 も不可能ではないでしょう。ただ、目標設定は背伸びしすぎない方が良いです。N3 は簡単だから最初から狙うべき、N3 から評価につながる、と言われることも多いですが、学習時間という現実を踏まえ、学習目的で受けるなら、段階的に進めるのが良いと思います。
¶ どう準備したか
ここからは、私が試行錯誤して「これは効く」と感じた学習方法を紹介します。いろいろな人の体験談も読みましたが、最終的には自分に合うやり方を自分で見つけるのが一番でした。あくまで参考として捉えてください。人によって好みやスタイルは違います。
語学学習は基本的に「文法 + 単語」です。以下、3 カ月でどう進めるかを時系列でまとめます。
文法を動画で学びたいなら 出口仁、文章で学びたいなら 時雨日文 をおすすめします。私は後から、文章で学ぶ方が学習効率が高いと感じました。
¶ 第0週
当然ですが、ひらがなが読めることが前提です。本屋で N5・N4 範囲の単語帳を 1 冊手に入れれば十分です。単語数も多すぎる必要はなく、英語でいう「2000 語」くらいの感覚で OK です。アプリを使うのも良くて、「MOJi」系列は無料でおすすめです。辞書も重要で、「MOji 辞書」を推します。次に、約 2 カ月半で N5・N4 の単語を全部覚える計画を立てます。日本語の単語暗記は英語より少し面倒で、ひらがな→中国語、漢字→中国語、中国語→漢字、中国語→ひらがな、のように複数方向で認識できる必要があります。
¶ 最初の2週間
N5 文法 を読みます。N5 は基礎の基礎なので、ここで「腑に落ちる」まで少し時間をかけるのが大事だと思います。最初はよく分からなくても問題ありません。日本語に触れる量が増えると、構造がだんだん掴めてきます。
¶ 3〜4週目
N4 文法 を読みます。N4 は一段階レベルが上がり、表現も豊かになります。N4 を受けるなら、当然ここが中心になります。
¶ 2カ月目
語学を最短で伸ばす方法は「試験」だと思っています。できるかどうかを確認する最も確実な方法は問題演習で、演習を通じて自分ができない部分が見え、苦手な箇所も定着しやすくなります。
よくおすすめされるのが 新にほんご500問 で、私は結局これ 1 冊しか使いませんでした。海外にいる場合は英語版でも良いと思います。私は日本の Amazon で購入したので英語版でしたが、英語で学んでも特に不便は感じませんでした。
新にほんご500問 は 1 カ月分(4 週、1 週 7 回)として設計されているので、2 カ月目にちょうど良い分量です。すでに文法は一通り学び、単語も覚え始めているので、問題演習で印象を強めていきます。きちんとやると 1 日分で 1 時間くらいかかります。単語と文法の問題があり、未知の単語もたくさん出てきます。基本は指示どおりに進めれば OK で、学習時間が潤沢でない限り、ここを大幅に加速するのは難しいと思います。
¶ 3カ月目
最初の 2 カ月を終えると、N4 は 6〜7 割くらいは掴めているはずです。
ここからは模試に入ります。模試をやる理由は 2 つあります。1 つは試験なので、解答に慣れておく必要があること。もう 1 つはリスニングがあるので、試験形式に合わせて意図的に練習する必要があることです。普段から動画や Podcast を聞いているだけだと、試験対策としては精度が落ちます。
模試は 4〜6 回分くらい買うのが良いと思います。解説は詳しいほど良く、リスニングにはスクリプトが付いているのが理想です。私は 怪物講師團隊的 N4 日檢 6 回 を買いました。少し多めに買った方が得だと思って 6 回分にしましたが、結局やったのは 4 回でした。
N4 は「文字語彙」「文法・読解」「聴解」の 3 パートです。週の計画としては、1 日で 1 パートを解き、翌日に詳しく復習して、次のパートに進むのが良いです。私はたまにサボるので、結果的に 1 週間で 1 回分くらいのペースでした。聴解は精聴しました。解答した後、各文がはっきり聞き取れるまで繰り返し聞きます。
理想を言えば、試験の 1〜2 日前に 1 回分を通しで解いて、模擬試験として時間感覚を掴むと良いです。
そして本番です。ここまでしっかりやれば、学習時間は 300〜400 時間くらいになっているはずで、必ず合格できると思います!
¶ その他の学習リソース
語学交流系の掲示板やコミュニティを見てみるのもおすすめです。学習チャンネルや Instagram アカウントなど、いろいろ紹介されています。私は特に naru 💫日本語の先生 チャンネルを推します。難易度はだいたい N4 程度です。ただ、好みは人それぞれなので、いろいろ探してみるのが良いと思います。
また、学習中は毎日「クレヨンしんちゃん」の日本語版を日本語字幕付きで見ていました。これは語感を作る目的です。幼稚園児向けなので、表現はそこまで難しくなく、だいたい N3/N4 くらいだと思います。ただ、しんちゃんはわざと間違った言い方をすることもあるので、誤用を学ばないように注意が必要です。日本語が得意な人と一緒に見ると、学習効果はさらに上がると思います。
最後に、みなさんの学習がうまくいくことを願っています!